案件によっては、クローニング作業のみ行い、機器のシリアル番号、各種MACアドレスを台帳化して提出してほしいといった要件も出てきます。ただし、Windows PEではWLANサービスがOSに含まれていないため、無線MACアドレスを取得することができません。今回は、Windows REを用いてPEを作成し無線MACアドレスも取得できるようにPEの作成方法を記載します。
はじめに
準備するものは以下となります。
・Windows ADK(Windows アセスメント & デプロイメント キット)
・OSイメージ(Windows10のイメージ)
・無線ドライバ
WinREの入手
まず、Windows REとはWindowsの回復環境のOSイメージであり、ディスク破損や、システムファイルの破損等、トラブルシューティング時に使われるリカバリー用OSです。
1.OSイメージからinstall.wimをマウントし、「mount\windows\system32\recovery\winre.wim」を抽出する
WinREの修正
WinREを入手したら、このイメージに不足しているライブラリをコピーし、回復環境のエントリを削除し、startnet.cmdを修正します。
1.ライブラリのコピー
以下のライブラリをコピーし、同一フォルダへ貼り付けます。
・C:\Windows\System32\dmcmnutils.dll
・C:\Windows\System32\mdmregistration.dll
2.winpeshl.iniファイルの削除
起動時に回復環境をロードするためのエントリが書かれているため、winpeshl.iniファイルを削除するかリネームします。
3.startnet.cmdの修正
WinRE起動時は、WLANサービス開始されていないため、サービスを開始する必要があります。
net start wlansvc ←追記
無線LANドライバの追加
取得したい機器の無線ドライバを入手し、インストールします。
1.各メーカーのホームページや、Microsoft(https://www.catalog.update.microsoft.com/home.aspx)から無線LANドライバの入手
2.WinREイメージにドライバのインストール
完成
以上で、完成となります。作成できたイメージで起動してみて、「ipconfig /all」コマンドを実行すれば、無線MACが表示されると思います。表示されない場合は、無線LANドライバが正しいものでない可能性があります。